いまどき夢オチなんて流行らないんだから!

 渦巻くどす黒い空気を掻き分けるように、わたしは進む。
 もう何年も探しているお母さんが、すぐ近くにいる。やっと見つけたんだ。
 お母さんを助けて、この悪夢から生還する。
 飛びかかってくる夢魔達を、魔剣でなぎ払って、ひたすら前へ。
 目指す先には、半透明の球体が光っていて、その中に、お母さんがいる!
「お母さん! 今助けるよっ」
 お母さんは驚いた顔でわたしを見て、何かを言おうと口を開いた。
 わたしは、にこっと笑って、左手の親指をぐっと立てる。
「力を解き放て――!」
 手にした魔剣を、お母さんを捕まえている球体に叩きつけた。
 瞬間、目の前にぱっと眩しい光が飛び散って。

「お母さん!」
 飛び起きた。
 朝の光がまぶしく差し込むカーテンの隙間に目をやって、辺りをぐるっと見て、ここが自分の部屋だって理解する。
 ――夢だった!
 ちょっと、そりゃないんじゃない? いまどき夢オチなんて流行らないんだからっ。
 外でのんきに鳴いてるスズメの声も、なんだか恨めしい気分だ。
 ……でもいつか、今の夢みたいに、お母さんを探しだして、一緒に帰ってくるよ。

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